前立腺肥大症の治療のあれこれ
前立腺肥大症も男性にとっては、避けて通れない疾患とも言えるかもしれません。古くから治療薬がたくさん開発されており、α1受容体遮断薬が第一選択になります。まだ、クリニックで前立腺の超音波検査をして、体積20g以上、前立腺の状態、臨床症状などで診断がつきますので、それからの投薬になります。
代表的ものに、タムスロシン(商品名:ハルナール)、シロドシン(ユリーフ)、ナフトピジル(フリパス)が使われます。

少し違いがありますが、ほとんど大差がありません。
主な薬剤と血圧への影響の違い
-
タムスロシン
→ 前立腺選択性(α1A)高く、血圧への影響は比較的少ない -
シロドシン
→ さらに前立腺選択性が高く、血圧低下は少なめ -
ナフトピジル
→ やや血圧低下が出ることあり -
ドキサゾシン
→ 血管作用も強く、降圧作用がはっきり出やすい
起こりやすい症状
-
立ちくらみ(起立性低血圧)
-
めまい
-
ふらつき
-
失神(特に開始初期)
特に高齢者、降圧薬内服中、脱水時は注意が必要です。
まれに、逆行性射精という副作用が起きます。以前、シロドシンで逆行性射精の副作用が現れた方がいますが、タムスロシンに変えることで、改善しました。逆行性射精:射精するとき精液が膀胱内に逆流する現象です。
■ メリット・デメリット比較
① タムスロシン
メリット
-
エビデンス豊富
-
血圧への影響が少ない
-
1日1回で使いやすい
-
バランス型(第一選択にしやすい)
デメリット
-
逆行性射精あり(中等度)
-
効果がマイルドな場合あり
② シロドシン
メリット
-
排尿改善効果が強い
-
血圧低下が少ない
-
高度α1A選択性
デメリット
-
逆行性射精の頻度が高い
-
やや高価
※性機能を重視する患者では注意が必要。
③ ナフトピジル
メリット
-
α1D作用 → 夜間頻尿に比較的有効
-
射精障害はやや少なめ
デメリット
-
血圧低下がやや出やすい
-
日中の眠気
■ EDを考慮する場合
α1遮断薬単剤ではED改善は期待できません。
ED合併例では
-
タダラフィル 5mg連日投与
-
もしくはα1遮断薬+タダラフィル併用
が現実的選択になります。
実は、タダラフィルは、血管内皮を改善したり、心血管疾患、アンチエイジングなどの効果があるという報告があります。少量のタダラフィルの連用にメリットが大きいと考えられます。