ブログ

更年期障害(LOH症候群(男性更年期障害)・女性更年期障害)とアンチエイジング

昨日、非常に興味深い講演会に参加してきました。川崎医科大学附属病院の病院長、泌尿器科の医師、永井 敦先生の講演会、太田郁子ウィメンズクリニックの院長 太田郁子先生の女性更年期障害についての講演会でした。

まず、男性更年期障害について、年齢とともに、性機能の低下、前立腺肥大などから、いろんな体の不調に繋がってくる。認知力低下、筋肉量低下、骨密度低下、疲労倦怠、うつ状態、下部尿路症状(排尿障害・頻尿など)、性器能低下(ED)、メタボリック症候群、肥満、脂肪量増加、造血能低下(貧血)と実に多くの疾患・病態に関与します。

特に、糖尿病の方は、血管拡張作用を有するNO(一

酸化窒素)産生低下に繋がってきますので、血管の劣化、血管の拡張不良になりますので、男性の場合は、ED(勃起障害)になりやすい。

ED(勃起障害)は、血管の状態を評価できる一つのバロメーターにもなりうるわけで、実に、心血管疾患を映し出す鏡でもあります。EDは、多くの疾患、特に心血管疾患が原因となっていることが多い。例えば、老化、糖尿病、心血管疾患、高血圧、テストステロン低下、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群、神経疾患など。

このEDの危険因子となるような疾患・病態を解除すれば、もちろん、良いですが、実は、EDを改善すれば、これらの病態も改善する効果が期待できます。人の体は、常に双方的です。

前立腺肥大症に対する治療で、タダラフィル(PDE5阻害剤)は、結果的には、NO産生不十分による血管の拡張不良を改善してくれます。実に、このタダラフィルは、血管を若々しくする作用もありますので、アンチエイジングの効果が証明されています。

また、射精そのものは、免疫力増加させる、炎症抑制効果が報告されている。そういう意味でも、男性機能の維持、射精回数の維持は、とても大事です。

疫学調査によると、週2回のセックスする男性は、心血管疾患発生率が少ない、1ヶ月21回射精すると前立腺がんのリスク減少、1年52回以上セックス(射精)でより長生きをするという数多くの報告が得られています。

つまり、男性更年期障害(LOH症候群) ⇔ 男性機能低下 ⇔ 心血管疾患 ⇔ アンチエイジング は、常に、相関しております。男性のアンチエイジングには、男性機能の改善がとても重要です。

いわゆる、心因性EDという病態もあります。今年の医師国家試験にも出題されました問題です。妻にだけEDというのが典型的な状況です。

夫婦のセックスも非常に重要で、「死ぬまで現役は可能」なので、夫婦生活の円満も、何よりのアンチエイジングとなります。

多田クリニックも、男性機能の維持、EDの改善、男性更年期障害の治療にサポートしておりますので、今後、更に、自分のアンチエイジングにも課題としたいと思います。


つぎに、女性の更年期障害

こちらも非常に興味深い、ウィメンズクリニックの院長の太田郁子先生のご発表がありました。女性ホルモン(エストロゲン)の低下に、前視床下部のニューロンに影響を与えてしまいます。そこには、特に、体温中枢もあり、その体温調節中枢がより過敏にさせてしまうわけです。我々の体は、±0.4度には、許容して、何も反応しないようになっていますが、女性ホルモンが低下しているときに、±0.1に温度差に反応するようになります。つまり、ちょっとした外気温の変化で、体熱く感じたり、寒く感じたりします。これが、いわゆる、「ホットフラッシュ」の本体。

実際、更年期障害の方は、当院にも多く相談されてきております。このホットフラッシュの訴えが最も多いです。

また、女性ホルモンの低下には、骨粗鬆症にもつながりますので、まだ、骨密度70%(YAM値)が低下する前に、手を打つべきです。現時点の保険診療では、70%以下に低下しないと、治療できないですが、これじゃ遅い。もっと前から予防的に対策を取るべきです。とくに、我々の腰椎L2、L4の圧迫骨折が多いので、腰椎の保護が非常に大事。

閉経後1年間で、骨密度が急速に低下するのが特徴です。

ほかには、この前視床下部の部位には、睡眠中枢、食欲中枢など非常に大事な中枢が集中しており、これが加齢・女性ホルモン(男性ホルモン)の低下によって、制御が狂ってしまいますので、これがいわゆる、更年期障害の多主訴の状態に繋がっていると考えられます。

我々の体は、40歳にすぎると、本能的に、遺伝子のプログラム的に、運動量低下に備えて、老後のために栄養の貯蓄ともなるように、脂肪を蓄える方向にスイッチが入るという。これは、確かに、進化論的には、非常に重要な機能変化です。ただし、これは、自然界で霊長類であればの話です。人間が進化の途中であり、まだ、現代社会の飽食時代に体が追いついていない状態です。つまり、現代社会の食事の摂取からですと、ついつい過食、カロリーオーバーになってしまします。これは、いわゆる、中年太り、更年期の肥満、体重減少が難しくなる原因かもしれません。

女性の更年期障害には、当院では、漢方からアプローチしており、多くの更年期障害の症状に改善にサポートしております。そして、肥満症外来にて体重減少を手助けしております。

今後の時代は、人生100年、 ですので、一緒に、元気で明るく更年期障害を乗り越えて、健康で老後生活を楽しんでいきたいです。そのアンチエイジングは、とても重要になりますので、これからも、健康なアンチエイジング、安心なアンチエイジングをサポートさせていただきます。

多田 蘇音